「そのようになれ」

生命の中には「そのようになろうとする」ある種の心のようなものが、神話の中の最初の存在「インヤン」、つまり、創造の力<ワカンタンカ:大いなる不思議>があって、何かを生み出そうとすると何かになろうとしていく。

その人がその人になっていく、その人にしかない人生をかたちづくっていこうとする力、心理学者ユングが言うところの<個性化>していく力がある。

知恵の三つ編み・レッドロードを歩く

一人ひとりの中には、自分の意思だけじゃなくて、「ワカンタンカ」という大いなる不思議の心、そのようになろうとする心がいる。

だからラコタの人たちは、この心(御心のようなもの)と、自分の意志と、現実に起こっていることの3つを絡め合わせながら生きていく、これを「知恵の三つ編み」と呼びました。

自分の意思だけではなく、いろんな選択も実は「ワカンタンカ」大いなる不思議の心と、自分の意志と、そして実際に現実で起こっていることを絡ませながら生きていく。

この三つ編みにしながら生きていく生き方、これを「知恵の三つ編み」とも呼ぶし、そういう道を歩いていく、大いなる不思議と一緒に歩いて行く歩き方、この道を歩くことを「赤い道、レッドロードを歩く」と言いました。

それはみんなが「生命の木」になっていくという道です。

松木 正

プロフィール

長きに渡るアメリカ先住民(特にLakota族)との交流(生活体験やセレモニー体験)の中から得られた叡智を実践しながら、講座プログラムに反映し、“自分をとりまく様々な生命(いのち)との関係教育=環境教育”をテーマとし、独自の環境教育プログラムを展開している。

キャンプカウンセラー、YMCA職員などを経て環境教育を学ぶために渡米。 現在、神戸で「マザーアース・エデュケーション」を主宰し、キャンプの企画や指導、企業研修、学校での人間関係トレーニング、また保護者に向けてのワークショップ、子育て講座、アメリカ先住民の知恵を反映したキャンプの企画と指導、神話の語り、教育的意図をもった企画講座など、幅広く活動している。

著書に、ロングセラーとなった『自分を信じて生きる』 (小学館)『あるがままの自分をいきていく インディアンの教え』(大和書房)がある。

​ラコタ族の伝統儀式を執り行うことを許された数少ない日本人の一人。


 大地とつながり

“わたし”の

生命の本質が

動いていく


“わたし”

という

「生命(いのち)の木」

になっていく

 

そのようになっていく・・・